自然に沿って育てた豚肉はおいしい!「土井農場」を訪ねて

自然に沿って育てた豚肉はおいしい!「土井農場」を訪ねて

ファンタスマーケットで取り扱うことになった「諫美豚(かんびとん)」。長崎県諫早市で自然に沿った循環型農業で稲作と養豚を営む土井農場さんの豚肉です。あっさりとした中に、良質な脂の旨みと甘みが感じられる格別な味わいのお肉。
その美味しさの秘密を探るべく、諫早市の農場を訪ねました。

緑深き小道を上った場所「土井農場の豚舎」

緑深き小道を上った場所に、土井農場の豚舎はありました。蝶々が舞い、野鳥の声が聞こえるような場所…。できるだけ木を切らずに建てられた豚舎は、豚さんにとって心地よさそうな環境です。

豚舎を社長の土井賢一郎さんに案内していただきました。

土井社長
▲熱い想いを持った土井社長です

「肉のおいしさはエサで決まります」と土井社長。「諫美豚(かんびとん)」は、贅沢にも飼料の33%は自社で育てた安心安全なお米「にこまる」を食べて育っています。「にこまる」といえば全国食味ランキングで7回も最高ランクの「特A」に輝いたお米。そんなお米を一頭あたり出荷までに70キロ前後の量を食べて育つというので、その贅沢さには驚きです。

「にこまる」の玄米
▲諫早平野の田んぼで育てた「にこまる」の玄米

さらにお米に加え、自社で育てた大豆「フクユタカ」や、多良岳水系の地下水を飲水に使用するなど、とことん飼料にこだわっています。

煎って細かくした「フクユタカ」
▲煎って細かくした「フクユタカ」。味見をさせてもらうと香り豊かで美味でした

何より土井農場のすばらしいところは、自然に沿った循環型農業を行っているところです。自社で育てたお米は飼料に、米収穫後のワラやもみ殻は豚ちゃんのお部屋の敷ワラに利用されます。

豚舎
▲豚さんはフカフカのもみ殻の上で気持ち良さそうです

敷ワラやもみ殻は2ヶ月に1度床替えし、敷いていたものは堆肥として田んぼに利用されます。土井農場ではそうやって、お米、飼料、堆肥と、全てが循環しているのです。

化学肥料では実現できない最高の肥料
▲堆肥は7回ほどショベルカーで切り返して3ヶ月かけて作ります。堆肥は物理学的にも化学的にも生物学的にも優れた、決して化学肥料では実現できない最高の肥料なのです!土井農場の堆肥は長崎県堆肥コンクールで県知事賞を受賞したほどだとか

大学の農学部を卒業後「日本の食糧を守りたい」という強い信念を持って家業の土井農場の道に進んだ土井社長。先祖代々続いた米づくりに加え、お父さんの代からの養豚業をはじめ、土井さんの代で循環型農業を成熟させました。「日本の伝統的な資源循環型農業というのは、本当に素晴らしいものです。この“人と環境にやさしい農業”を世界に伝えていきたい」と力強く話してくれました。

土井社長(中央)と豚舎担当の田中栄伍さん(左)、村上宏樹さん(右)
▲土井社長(中央)と豚舎担当の田中栄伍さん(左)、村上宏樹さん(右)。「豚のお世話をするのは可愛いし好きです」と村上さん
昭和49年に建てられた「豚の碑」
▲豚舎の敷地内に昭和49年に建てられた「豚の碑」。火事で犠牲になった300頭を偲び建てられ、毎日スタッフや社長が手を合わせているそうです

お米を育てる田んぼも案内していただきました。
取材時はちょうど田植えの日。

多良岳を望む、何とも清々しい場所
▲多良岳を望む、何とも清々しい場所です

点在する13ヘクタールほどの田んぼから約65トンの玄米を毎年収穫し、その半分ほどは豚さんたちのエサになるというから驚きです。「売れるお米をあえて豚さんたちのエサにする」ということが、おいしい豚肉を作ることや循環型農業を貫く信念の現れだと改めて感じました。今年は苗箱1,800枚で育てた苗を、1週間かけて田植えをしていくそうです。もちろん田植え前に豚舎から運んできた堆肥を入れているそうで、その量200トン!!化学肥料であれば6.5トンですむものを、労をかけて守り抜く。その作業だけでも頭が下がります…

苗箱に育った苗の緑
▲苗箱に育った苗の緑が美しい。これをトラックに載せて田んぼまで運びます
植え付け
▲いよいよ植え付け

植えた後も気は抜けません。ジャンボタニシに食べられたりすることもあるそうで、予防に椿の油かすを蒔いておきますが、それでも食べられることも。食べられた箇所などは手で補植していきます。

手で植えます
▲丁寧に手で補植します

こうして大事に手をかけて育てた稲は、10月に収穫を迎えます。
土井農場では、お米のほかにも、7月に種を蒔き11月に収穫する大豆、11月に蒔いて5月に収穫する麦も育てていて、一年中大いそがしです。それも全ては「資源循環型農業を行い、日本の食糧を守りたい!人と環境にやさしい農業を伝えたい!」という土井社長の熱い想いあってこそ。
「自然に沿えば沿うほどおいしいものができるんです」という社長のことば通り、諫美豚のおいしさは格別です。

ファンタスマーケットには、諫美豚の精肉はもちろん、本格的なドイツ製法で丁寧に作られたハムやソーセージも入荷します。

諫美豚、ハムやソーセージ
▲生ハム、肩ロース生ハム、生ベーコン、フランクフルト、粗挽きフランクフルトなど、どれも米を食べて育った諫美豚の旨みが活きた逸品

田んぼのお米、畑の大豆、豚さん、堆肥…全てが循環する希有な農場のおいしい豚肉をぜひ味わってみてください。

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