「紅天神」人参畑訪問

ファンタスマーケットの青果コーナーでひと際目立つ、赤々としたにんじん「紅天神(べにてんじん)」。栄養価が高く、甘くて濃い味わいのスペシャルなにんじんです。その栄養価の高さと美味しさのヒミツを探りに、紅天神を育てる滝キャロットファームさんを訪ねました。

軽トラを追いかけて坂道を上り、畑に到着。すぐに紅天神が美味しくなるワケが半分以上わかったような気がしました(早っ)。何せその、海を見渡す高台に位置する畑の開放感といったら!

▲畑の向こうに橘湾を望む気持ちの良い場所。「天空のにんじん畑」と呼んでいるそうです

迎えてくれたのは、滝 遥貴さん。

▲滝 遥貴さん。代表の息子さんで、クールな見た目とは裏腹に、紅天神の周知に熱い情熱を持つ素敵な方です

紅天神の名前の由来を聞くと「赤い見た目に加え、この畑がある場所が天神町だから紅天神。クセが少なく甘いので、にんじんが苦手な子でも、紅天神のジュースなら飲めたりするんですよ」と教えてくれました。

紅天神は、西洋にんじんと金時にんじんをかけ合わせた「京くれない」という品種をベースにした、滝キャロットファームオリジナルのブランドです。赤い色が濃いのは、トマトなどでも知られるリコピンが豊富に含まれているから。リコピンは高い抗酸化作用があり、生活習慣病の予防や紫外線からのダメージを予防するなど、嬉しい作用がたくさんあります。もちろん西洋にんじんに多く含まれるβカロテンもたっぷり。紅天神は、リコピン&βカロテンの両方を含む、最強のにんじんといえそうです。

▲この赤い色が栄養たっぷりの証

滝キャロットファームでは、この紅天神を農薬や化学肥料を抑えて特別栽培で育てています。特に取材に行った2024年は虫などが多く、手作業で虫を取り除くなど苦労もあったそうですが、安心で美味しいにんじんを届けたいと、日々頑張っていらっしゃいます。

▲右が代表の滝 和久さん

もともとこの畑がある場所は、小さな段々畑が連なり、ほとんど耕作放棄地になっている状態でした。そこを、滝キャロットファーム代表で有喜土地改良区の理事長だった滝 和久さんが、「どがんかせんばいかん!」と整備に尽力。今では気持ちの良い風景が広がっています。 畑の向こうには橘湾が広がり、ミネラルたっぷりの土壌を育んでくれ、周りに遮るものがなく360度太陽の恵みいっぱいに受けて、にんじんは栄養たっぷりに育ちます。

▲粘土質を含む土壌が、身がぎっしり詰まった重量感あるにんじんに育ててくれます

魅力いっぱいの紅天神ですが、生育時に変形しやすい品種でもあります。土をしなやかにして真っ直ぐ育つよう工夫していますが、それでも規格外ができてしまいます。規格外になってしまうとカット野菜などに卸すのですが、均一を良しとする風潮、赤いために紅天神はカット野菜にもとってもらえないそうで、残りは自社でジュースなどの加工品にしていらっしゃいます。

▲形が少し違うだけで規格外になってしまうにんじんがたくさんあります

それでもたくさん余る規格外の紅天神を、ファンタスマーケットでは、栄養たっぷり美味しさたっぷりの価値あるものと考え、お惣菜などで提供できるよう取り組んでいます。フレッシュジュースを提供している姉妹店のファンタスグリーンでも、美味しい紅天神のジュースを考案中です。ぜひお楽しみにしておいてくださいね。

紅天神は冬の収穫時期から、貯蔵庫で眠らせて春、夏ごろまで販売しています。今後、滝キャロットファームさんでは、年間通して紅天神を販売していけるようチャレンジしていきたいそうなので期待したいですね。

紅天神を使った簡単&栄養たっぷりレシピ
\2025年2月8日公開/

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