ファンタスマーケットでもお酢や味噌、甘酒などの商品が人気の川添酢造さん。1900年創業、西海市雪浦(ゆきのうら)で、ご家族で丁寧に丁寧に愛情込めて酢造を営まれています。
今回はお酢や味噌、甘酒など、全ての要(かなめ)になる麹(こうじ)造りを中心に見学させてもらいました。そこには日本人が昔から大事にしてきた「発酵」の生きた現場がありました。
酢造の蔵に一歩足を踏み入れると、モウモウと上がる湯気と蒸したお米が広がる光景に圧倒されました。これは甘酒や「甘酒こうじ」に使う白米の麹を仕込むところで、「一度にこんなにたくさんの量を仕込むのですか?」という問いに白米は週に2回、今目の前にある量230kg(乾燥した状態で)を仕込むということで、ほかに玄米や麦の麹もたくさん造られているので、ほぼ毎日大量の麹を造る作業をされていることになります。
もちろん、麹は生きています。1日で作業が終わりということではなく、数日かけてまるで赤ちゃんをお世話するように、手をかけて手をかけて育てていきます。
麹菌を付けた米を室(むろ)の中の大きな木の桶に移します。室とは、発酵に大事なお部屋で、麹菌が活動しやすい30-32℃の暖かさに保たれています。機械で室温を一定に保つメーカーもありますが、川添酢造では、窓の開け閉めや、冬季はストーブを入れるなどして温度調整をしているそうです。そうすることで麹菌のチカラを引き出し、菌自身が発熱する熱も利用して酵素の量が増えて美味しく栄養価の高い麹になるのだそうです。
麹菌が均一に回るように、大きな木の桶の中で揉みほぐしながら片側によせて、(本当に!)お布団をかけて寝かせ、夕方また揉みほぐし反対側に寄せて寝かせます。なかなかの重労働と手間…
翌日「もろぶた」という木の箱に分けて入れる「盛り込み」という作業を行い、さらに1日寝かせると、きれいな麹の花がつくそうです。
「盛り込み」の作業。一升(ひとます)に一杯とちょっとの山。これでおおよそ乾燥させて1kgの麹になるそうですが、迷いなくヒョイヒョイとリズムよくすくってもろぶたに入れていく熟練の技!しかし、もれなくギックリ腰持ちになるほど身体への負担もあるとか…
花が咲いた麹のもろぶたを室から出し、さらに別の部屋で2~3日乾燥させます。
麹を造るのに、米を洗うところから換算すると6日間。全て手作業で、頭の下がるような大変さですが「どれだけ時代が進んでも、この作業は変わらないし、それだけの価値があると思うんです」とご長男川添晋作(しんさく)さんが、和やかに、でも芯は強くお話してくれました。
手をかけて造った麹は、お酢や味噌、甘酒などになっていきます。
玄米酢、純米酢、すし酢、麦味噌、合わせ味噌、ぬた、甘酒、ビネガーシロップの「酢らり」などなど…どれも原料にこだわり、たくさんの愛情を込めてつくられた商品の数々。本当に美味しく、身体が喜ぶものばかりです。
穏やかな空気が流れる雪浦のまちで、丁寧につくられた麹を使ったお酢や味噌の美味しいワケを知り、柔らかくも強い心を持って進化を続ける川添酢造さんのこれからにも期待したくなる訪問となりました。
ファンタスマーケットには「川添酢造」さんの商品がたくさん並んでいますので、手に取って試していただけると嬉しいです。
講座やメディア出演など多方面でも活躍される桂奈さんにお酢や甘酒を使ったレシピも聞いてきましたのでぜひチェックしてみてください!
▼近日公開予定
・炊飯器で作る自家製甘酒(2021年7月25日公開)
・元気をチャージ簡単甘酒ドリンク(2021年7月25日公開)
▼特集ページはこちらからチェック
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