砂糖の基本のお話

9月30日公開
「砂糖の基本のお話」

調味料が変われば
料理が劇的に変わる!
vol.1 砂糖の話。

毎日の料理に欠かせない基本調味料は、料理の味を決め、私たちの身体や味覚をつくる大切なもの。砂糖、塩、酢、醤油、味噌。ファンタスマーケットでは製法や味わいはもちろんのこと、生産者の想いやストーリーを大切に調味料をセレクトしています。
これから連載で、基本の「さ・し・す・せ・そ」の調味料の選び方や、その調味料を活かしたレシピなどを紹介していきます。基本の調味料を変えるだけで、料理は劇的に変わります。ぜひ参考にされてみてください♪ 第1話は砂糖の話です。

お砂糖選びどうしていますか?

いろんな種類の砂糖

みなさん、お砂糖はどうやって選んでいますか?
塩やお醤油、味噌などは、自分の味の好みや製法などがハッキリと分かりやすく選びやすいかな、と思いますが、砂糖となると…
実はファンタススタッフたちも、大まかに「できるだけ自然に近い精製されきっていないものがいい」と考えて、サトウキビ原料の「粗精糖」を普段使いするスタッフが多かったです。でもこれを機会に、大まかに…ではなく改めてしっかりと砂糖のアレコレを考えることにしてみました。 いろいろな種類があることを知り、自然に沿ったものを選んだり、料理ごとに種類を変えてみたり、自分に合うものを選んだり、季節によって変えてみたり、時には砂糖ではない自然素材の甘味なども選んだり…ファンタスマーケットなりに、しあわせな食卓になるための砂糖の話をお伝えしたいと思います。

まずは砂糖って何?
というところから

三種類の砂糖

主に砂糖の原料は2種あります。サトウキビとてんさい(ビートという大根に似た野菜)です。サトウキビから作られるものは黒糖やきび砂糖(粗糖)などがあり、てんさいから作られたものは、てんさい糖やビート糖といって売られています。
黒糖はサトウキビの汁を搾って不純物を取り除いて濃縮したもので、それ以外のものはサトウキビもてんさいも砂糖になる過程で、不純物を取り除いて結晶と糖蜜に分離させ精製する工程をたどります。精製の途中段階でまだ蜜を含んだものを含蜜糖(粗糖、きび砂糖)と称します。精製を繰り返し、結晶化させて甘み成分のショ糖だけを取り出したものがいわゆる上白糖、グラニュー糖、三温糖といった精製糖です。三温糖の色は茶色ですが、それは加熱によって色が付いただけで精製糖の一つです。
精製すればするほど、素材が本来持つミネラルなどの成分は失われていきます。黒糖や粗糖、含蜜糖、きび砂糖はミネラルなどが含まれる、と言われるのはそこに理由があります。

黒糖は精製していないので他の砂糖よりミネラルが豊富ですが、もちろんその分独特の風味もたっぷりです。そのため、普段の料理に使うのであれば、それ以外の砂糖を選んだほうが味のじゃまをしません。とはいえ、精製されきったものはミネラルが失われて自然に沿っていない感じがしますし、含蜜糖に比べて吸収が早いために血糖値の上下が激しくなるという見方もあります。
なので、精製されきったものよりは、できるだけ自然に近い含蜜糖を使いたいものです。含蜜糖も様々な種類と特徴があるので、下記に特徴をまとめているので、お料理や季節、好みに合わせてぜひ使い分けてみてくださいね。

おやつにも♪黒糖

黒糖

黒糖は前述したように、サトウキビの汁を搾って不純物を取り除き濃縮したもの。全く精製されていないので、カリウム、カルシウム、鉄分、リンなどサトウキビが本来持っているミネラルが豊富です。その分強いコクと風味がたっぷりあるので、料理に使うなら、牛スジと煮込んだり、蒸しパンにしたりと黒糖の風味を活かした料理がオススメです。産地によって味わいが全然違うので好みのものを見つけてみてください。

黒糖
▲カロリー的にみると他の砂糖よりも低いので、固形タイプはそのまま食べるおやつにも◎ ナッツ類などと合わせて登山の行動食にするのもいいですね♪

万能!きび糖・粗糖

きび糖・粗糖

サトウキビを原料にした精製されきっていない砂糖です。ある程度のミネラルを残しながらも、黒糖よりクセや雑味が少ないのでとても使いやすいです。「上白糖を使っていたけれど自然に近いものに変えたいな」と考えている方などはきび糖や粗糖を選ぶと良いでしょう。

きび糖・粗糖

ファンタスマーケットで扱っている上写真のものは喜界島や種子島、鹿児島県産などのサトウキビが原材料ですが、オーガニックのものは外国産なども多いので、何を選ぶか自分の基準を持って選択できるといいですね。ちなみにファンタスマーケットのデリでは何の料理にも合うナチュラルキッチンの粗精糖(写真中央)を使っています。

おなかにも優しい てんさい糖

てんさい糖

「てんさい(ビート)」という作物からできた砂糖です。てんさいは、その見た目や「砂糖大根」という呼び名から大根と思っている方も多いですが、実はほうれん草と同じヒユ科の作物。てんさいの生産地は日本ではほとんどが北海道です。てんさい糖といえば何といっても天然のオリゴ糖が含まれているのが特徴。オリゴ糖は腸内善玉菌の栄養源となるものなので、サトウキビ原料のものに比べておなかに優しい砂糖といえそうです。さらに、てんさいは寒い土地で採れるものなので、体を温めてくれる作用があるという説もあります。ミネラル分は、きび糖などより若干少ないですが含まれています。
ただし、てんさいから作られた砂糖でも、完全に精製した白砂糖やグラニュー糖があり、そちらはミネラルやオリゴ糖は期待できないので、いろいろ種類があることを知り選択できる眼を養えるといいですね。ファンタスで扱う下写真のてんさい糖は全て含蜜糖です。ぜひ参考にしてみてください。

てんさい糖

てんさい糖は味わいもまろやかであっさりとした甘さ。クセも少なく、どんな料理にも合いそうです。特に写真右下のものは粉末タイプでサッと溶けるので特にお菓子作りや火を使わない料理にオススメ。

いろいろな
自然の甘さを
活用しよう

サトウキビやてんさいから作られた砂糖だけでなく、ハチミツ、アガベシロップ、ココナッツシュガー、メープルシロップ、メープルシュガーなど自然の恵みの甘さを活用できるといいですね。例えば意外と何の料理にも合うメープルシロップ、甘みは砂糖よりあるのに低GIなアガベシロップ、こちらも低GIなココナッツシュガーなどなど、それぞれに味わいや風味、特徴が全く違うので料理や好みに合わせて使い分けてみてください。 「てんさい糖とハチミツを使ったマーラーカオづくり」や、「ココナッツシュガーを使ったクラフトコーラづくり」「粗精糖を使ったガトーショコラづくり」も紹介しているのでぜひチェックしてみてくださいね♪

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